米国のFDAがついにアイコスの販売許可を発表!しかしリスク軽減は認めれず、扱いはタバコと同様!

アメリカのFDA(米食品医薬品局)が、ついにアイコス販売を許可しましたのでご紹介致します。
販売は認められましたが、かなり厳しい条件が付けられ、さらに「販売を認めたらからいって安全性を認めたわけではない!」といったちょっとスッキリしない内容です。

加熱式タバコはまだ検証不足があることも事実なので、現段階では致し方ないのかも知れませんね。

私のほうで読みやすく改行を入れ、特に大事な部分は太文字にして全文をご紹介させていただきます。
気になる方は是非ご覧になって下さいね。

 




 

米国で加熱式たばこの販売を初めて許可

(2019.5.10メディカルトリビューン掲載記事引用)
米食品医薬品局(FDA)は4月30日、加熱式たばこIQOS(フィリップモリスインターナショナル社製:PMI)の米国での販売を厳しい条件付きで許可したことを発表した。

これまで、FDAはたばこのニコチン含有量の低減、電子たばこの制限など厳格なたばこ規制方針を取っていた。
IQOSはFDAがたばこ製品に対する規制権限を得た2009年以降、米国での販売が許可された初の加熱式たばことなる。

 

販売許可が安全性を認めたことにはならない

加熱式たばこは、タバコ葉を加熱、抽出したニコチン含有エアロゾルを吸引するもの。
2017年にPMIがIQOSの販売前申請(Pre-market Tobacco Application;PTMA)を提出したことを受け、FDAは約2年の審査で、厳密な科学に基づく見直しを行った。
その結果、重要な検討事項の中でもIQOSが生成するエアロゾルの有毒物質の含有量は紙巻きたばこよりも少なくレベルも低いことから、米国市場向けに認可することが公衆衛生の保護に適していると判断した。

ただし、FDAは「販売を許可することが、IQOSが安全であること、また”FDAが承認したこと”を意味するものではない。
全てのたばこ製品は有害かつ中毒性がある」と指摘。

また、2016年にPMIはIQOSをFDAのたばこ規制法のリスク修飾たばこ製品(Modified Risk Tobacco Product;MRTP、MRTPに適用する製品はリスク低減を標榜して販売できる)として申請したが、リスクが低減するというPMIの主張は認められておらず、FDAは今回の措置はIQOSがMRTPに適用することを決定したものではないことも強調している。

 




 

特に青少年への厳しい制限を課す

加熱式たばこは連邦食品医薬品化粧品法で定める紙巻きたばこに該当することから、IQOSもFDAによる既存の紙巻きたばこと同様の規制、特にメディアでの広告の禁止を遵守する必要がある。

FDAは、青少年のたばこ製品へのアクセスおよびそれらの広告と宣伝への曝露を制限するため、広告を成人向けにするという要件を含め、製品の販売方法、特にウェブサイトやSNSを通じた販売に厳しい制限を課している。

また、紙巻きたばこと比較してIQOSによる中毒リスクに関して消費者が誤解を招かないよう、製品の全てのパッケージラベルと広告に、たばこに求められる警告に加え、ニコチンの習慣性についての警告を含めること、さらに、製品のラベリング、広告、マーケティング、青少年のアクセスと宣伝への曝露を制限する方法についてFDAに通知することを義務付けている。

それに加え、進行中および完了した消費者調査研究、広告、マーケティングプラン、販売データ、ユーザーに関する情報、製造方法の変更点、有害事象を含む、これらに限定されない市場におけるIQOSに関するあらゆる情報について、FDAに定期的に報告することも要求している。

FDAはIQOSの継続的なマーケティングが青少年の使用につながるなど、公衆衛生の保護に適切ではないと判断した場合、販売許可を取り下げることができる。

 

有害物質の軽減が健康リスク低減につながる科学的根拠ない

なお、IQOSは日本では2014年に初めての加熱式たばことして販売された。
紙巻きたばこ同様、法令上はたばこ事業法における喫煙用の「製造たばこ」という取り扱いになっている。

日本呼吸器学会は「加熱式たばこの使用は健康への悪影響、受動喫煙による健康被害が生じる可能性があり、従来の燃焼式たばこと同様に全ての公共の場所での使用は認められない」との見解を発表している。

また、世界保健機関(WHO)は加熱式たばこに関する見解を以下のように示している。

-たばこ会社が資金提供する研究報告では有害物質が著しく軽減されているが、有害物質の軽減が健康リスクを低減させるかどうかについて、現時点で科学的根拠はない。

受動喫煙のリスクについては科学的根拠が十分でなく、さらなる研究が必要。
タバコ葉を含む全てのたばこ製品は有害であり、加熱式たばこも例外ではない。
そのため、他のたばこ製品と同様、たばこに関する政策や規制の対象とすべきである-

 




 

結局は今までの認識と変わりなし!

要約すると、「アイコスは紙巻きタバコより有害性物質が少ないから販売は認めるけど、結局タバコだからリスク軽減は認められないよ。だから広告から何からすべて「タバコ」と同じ厳しい扱いにするからね」という内容になります。

アイコスが販売されて間もないころは「アイコスで禁煙しました」なんて情報が多くでましたが、アイコスはタバコなので吸っている段階で禁煙はしていませんよね。
つまり、それくらい情報不足でした。

今は「アイコスはタバコなので有害性がある」というのはほとんどの方が理解しています。
今回、ついにFDAが販売を許可しましたので、良いデータでもあったかと期待したのですが、良くも悪くも今までの私達の認識と変わりありませんでした。

しかしながら米国のあの厳しいFDAが認めたというのはフィリップモリスにとっては大きな一歩と言えるかも知れませんね。

 

他の加熱式タバコも近いうちに認められる?

ちなみに、2019年4月30日付けで承認されたのは、アイコスIQOS 2.4 PLUSのホルダーとチャージャー、3種類のヒートスティック(マールボロ、マールボロ・スムースメンソール、マールボロ・フレッシュメンソール)となっており、デバイスのアイコス3とアイコスマルチは未承認だそうです。

今回はアイコスのみの認可となりますが、gloなどの他の加熱式タバコが認められるのも時間の問題かと思います。

そうなると市場は一気に拡大するので、加熱式タバコは日本以外でまた息を吹き返すかも知れませんね。

ところで、アメリカはニコリキが認められているので電子タバコの需要が非常に多いです。
今更アイコスに移行する人ってどれくらいいるのか気になります。